2018.04.02
下肢の疾患カカトの痛みの代表格は足底筋膜炎と踵骨棘です。カカトが痛い箇所もほぼ一緒で、原因も似ています。原因と症状が似ていますので、保存療法での対処方法もほぼ一緒です。
足部は前足部と後足部に分けて考えることがあります(中足部という概念を含むこともありますが、ここでは後足部=後足部+中足部にして、二つだけにします)。
図3 足部の各名称。右足の骨格を上から見た図
足部の機械的なメカニズムはシンプルにすると次のような動きになります。
図4 下腿と足部の動きの関係性
手で持っているところはスネの骨で、蝶番のところが足関節で表現しています。どちらの足でもいいのですが、ここでは”右足”で統一しましょう。Aは足部を分けずにスネと足部の関係性を表しています。
Bは後足部と前足部で分けていて、図のような関係性で動きます。Bを見ると、前足部と後足部では”ねじれる”関係性になっていますね。
図5 右足の骨格を内側から見た図 上:回外 下:回内
実際に骨格で表すと図4のようになります。図5の上の図は、回外という動きで、足首をよくグネッと捻挫する方向です(図6)。
図6 回外(捻挫する方向)
この動きは足底筋膜が緩みます。そしてカカトの外側が地面に着きます。図5の下は回内という動きで、土踏まずが潰れる動きです。足底筋膜が伸ばされ、ストレスがかかります。そしてカカトの内側が地面に着きます。
ちなみに足底筋膜炎でカカトが痛くなる方は、カカトのやや内側が痛くなる場合が多いです。となると、足底筋膜炎になりやすいのはどちらでしょうか?
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両方とも足底筋膜炎になるうるのですが、どちらかというと、図5で、下の”回内”という動作が強い足に多く見受けられます。図4のBのように足部がねじれると足底筋膜が必要以上に伸ばされたり、ねじれが働いたりします。
人の体の骨や筋肉などは、”まっすぐ”の力には強いですが、”ねじれ”の力にはとても弱いです。過剰なねじれが働かないようにしなければなりません。
そのためには、インソールと靴により、足部がねじれないように、まっすぐに保つように支えることが必要です。
それにより、足部を安定させつつ、日頃のケアでふくらはぎと足裏の筋肉をほぐしていくことを推奨しています。
図9 ドイツのコンフォートシューズメーカーにインソールを製作
【メリット】
安定感抜群で、さらにスリッパでもインソールの取り替えができる優れものです。足裏は一人一人、さらに左右で合わせることができます。これなら左右差があっても大丈夫ですね。
【デメリット】
強いて言えば、外履き仕様の靴底ですから、固めです。マンション住まいの方は下に”ドスドス”と音が響いて迷惑をかける!という心配が少なからずあります。
その他にもご提案があります。FIT salonでは足部を安定させるソックスを取り扱っています。カカトに衝撃を吸収するクッションも少しありますが、インソールほどのものはありません。
しかし、足部は安定するので、ふくらはぎや足裏の筋肉の負担を減らすことはできます。それにより筋肉を固くするのを防いでくれます。
図10 足趾をまっすぐにするソックス
足趾を真っ直ぐにすることで、足のゆびがしっかり働きますので、筋肉の緊張を緩和することができます。日頃の疲労感を減らすことができるのです。
日頃の疲労感を減らすことができれば、日頃のケアも短時間で済むようになります。こういったものを室内履きとしてご利用してみてはいかがでしょうか?